提箸宏詩集 30/60
30/60
そして、私が
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そして、私が
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すれ違ったのは
カールヨハンの夕暮れ
じっと見据えているあなたの横を
通りすぎていく男
目
いでたち
尖った顎
(そして私がどこへ行こうとしていたのか
一枚の絵が語っている)
「叫び」から「不安」へ、そして
「カールヨハン通りの夕べ」と題された作品
描かれた男
カンバスの外に切り取られた下半身
足の行方
(そして私がどこへ行こうとしていたのか)
私があなたとすれ違ったのは
一九八一年の秋
それから私は
東京竹橋の夕暮れの坂道を
地下鉄の方へ下っていく
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