提箸宏詩集 30/60
30/60
子の靴
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子の靴
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深夜
脱ぎ散らかされた
子の靴を
揃えながら家に入っていく。
勢いよく走っていった先で
おまえを待っていたもの。
電灯のスイッチを
手で探って
父はそれを見つけられるか。
おやゆび、ひとさしゆび
二本で子の靴の勢いを静め
朝のために
向きをかえる。
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