提箸宏詩集 30/60
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出発
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出発は
雨上がり、早朝の
桜の木の下から
温もりを
ふりほどきながら
夜のなかで生まれたばかりの
魚のように
花びらを
一枚一枚
ふりほどきながら
次第に
加速し
早朝の
余韻のなかを
走る
「おはよう」
すれ違う車との
うしろめたくもある
朝の挨拶
出発は
雨上がり、早朝の
桜の木の下から
「じゃあまた」
忘れてきた言葉を
ふりほどくように
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